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怪物のCのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

キャスト全員の演技、配役、脚本、伏線回収、構成、坂本龍一のピアノ 全てが秀逸で完璧だった。

映画を観ながら何度もコピーの「怪物だーれだ」が頭を過ぎる。その内に犯人探しや誰が悪いかではなく、誰もが数パーセントの怪物を出したり引っ込めたりしているように感じた。

家庭や学校で窮屈な思いをしている二人の少年が距離を縮めていき秘密基地で過ごす…よくあるストーリーのようで切り口や結末の斬新さ、心の機微の繊細な描き方によってその瑞々しさが際立った。
是枝監督は子供を撮るのがうまいなー

悪気なく何気なく掛けられた言葉が子供たちを追いつめていく。
子供パートはいじめていた子や隣の席の女の子視点も見たかった。消しゴムずっと擦ってたり何か背景がありそうな演出があったので気になる。
2時間で観やすかったけど、+1時間くらいじっくり観たい気もする。

散りばめられた出来事やどこか引っ掛かる環境音まで気持ちよく伏線回収されていく過程が、雲の切れ間から光が差し込み、どんどん晴れ間が広がっていくようで清々しかった。

田中裕子さん演じる校長先生の底が知れない感じ素晴らしかった。
「しょーもない、誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。誰でも手に入るものを幸せって言うの。」涙が出て、ずっと心に残った。
こんな言葉にどうしたら気付けるのか、坂元裕二脚本ほんとにすごい。

ラスト、バリケードがなくなった世界は夢か現実か。

シナリオブックやノベライズも読んで解像度上げてからまた観たい。
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