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怪物のmonetのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.8
日本から遅れること半年でフランスでも公開になったので初日に見てきた。

主人公を変えていくことで物語の視点が変われば一つの事象からいくつもの事実が生まれていくということがうまく表現されていて、特に後半の子供達を主人公にしたところは子役の演技のうまさも相まって見ごたえがあった。

でも、最初、安藤サクラ演じる湊の母が抗議のため学校に乗り込むシーンの学校側の対応が、昨今問題となっている学校の隠ぺい体質とかを表現してるとはいえ、あまりにも不気味で非現実的すぎた。
日本で見ていたらそこまで気にならなかったかもだけど、フランス人観客に囲まれた状態で見たので、「周りのフランス人客に、日本の教師はこんな風にシングルマザーを差別する発言を平気でしたり、保護者と目も合わさずコミュニケーションを避けることでトラブルを回避する気味の悪い人たちと思われたらどうしよう」という不安感が大きすぎて、なかなか他の内容が頭に入ってこなかった。

瑛太演じる担任教師も、教師自身の視点で見たら人間的で常識的な人なのに、母親視点では奇妙な言動を繰り返していて、視点の変化だけでは説明がつかないほどのギャップがあるように感じたけど、これは主人公(母親)の先入観から映像自体がデフォルメされているという設定なんだろうか?
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