Binchois

怪物のBinchoisのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
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パリの映画館にて鑑賞。やはり向こうでは是枝監督が人気らしく、街中いたる所で本作のポスターを見かけた。
「時間とウンコ」の場面で、オバチャンが一人だけ爆笑していた。海外の映画館に入るのは面白い。

現実を直視しようとすると、世界の複雑さに目眩がする。世界のどこかで悲劇が起きるたび、我々は因果を単純化して、分かった気になろうとする。それは防禦反応でもあるのだろう。
人は誰でもたやすく怪物と化すが、本当は、誰も怪物などではないはずだ。

是枝監督の子役調教は、もはや伝統芸能の域に達している。
田中裕子校長の人物造形が極端で、映画の流れとしては不自然さを覚えるが、現代社会が生んだ「いびつな正解」のデフォルメとも解釈できる。
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