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怪物のmizuのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.5
劇中で登場するバリケードは、少年たちの関係性を阻む象徴的な役割を与えられたプロット。
異性愛が強く前提とされ、同性婚は認められていない。少年たちの権利は軽く、社会に強く影響を受けている。
ラストシーン、「生まれ変わったのかな?」「そんなのはないと思うよ」の問答のあと、「よかった」と返している。
社会のなかで所属できなさを感じていた少年たちは、生まれ変わりを望んでいたように思う。
でも、社会や世界が変われば(劇中の途中で存在していたバリケードがなくなれば)、少年たちは、生まれ変わらなくてよかった、と思えるのではないか。
少年たちがいまの彼らの関係のままでも、この世界で生きていたいと思えるのではないか。
社会はこのままでいいのか?と、優れたエンターテインメントで問いかける映画が私は大好きなので、とてもよい鑑賞後感でした。
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