凄い凝った脚本だなと思った。好きな作品かと聞かれるとあんまり好きではないかも。
前半の沢山のミスリードのおかげで、湊の母視点の時は「最低な教師と学校」にイライラし、先生視点の時は「守ってくれない学校や理解してくれない周り」にイライラし、きっと本当の怪物は湊か依里なんだろうと予想していた。湊視点になってようやく理解し、理解した上で映画を観直すと、最初に観た時とは全然違う感想を抱いてる自分に驚く。
誰かから聴いた情報や自分が見た一場面。知らない余白の部分は、思い込みや自分の想像で補って勝手に事実だと決めつけて、人物なり事柄を見てしまってるんだな。
「何かに悩んでそうな子が、絞り出す様に話してくれた事は真実」って思ってしまったり、「シングルマザーの家庭の子や虐待受けてる子は問題を抱えてる」って思ってしまうのも、これまでの経験上勝手に思い込んでるけど決して事実ではないわけで。
真実見えてますか？
でもその真実にはどうやったら辿り着けるんだろ。人生は、映画みたいに色んな視点からは見せて貰えないからね。
