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怪物のaromeのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

やっと観れた!!

結論から言えば、久しぶりに卵かけ納豆ご飯を食べた時、日本人でよかった〜!って思うあの感じに近い映画でした。
洋画ばっかり観てると、こういう機微に触れることを忘れるというか。
これでこそ日本、日本人!っていう。
そうよね〜これこそ。邦画の良さ。邦画の、大豆製品と米を主食にしている日本人だからこそ発揮できる、趣ある映画です。

長い長い前置き。そこら中伏線だらけ。ミスリードを誘いまくる。
中盤でようやく気づく、自分が怪物を探して観ていることに。
なにか答えが欲しいと思ってしまった。
誰かひとりを"悪者"にしたかった。
でもそんな簡単なことではなかった。
獅童は唯一分かりやすく、悪役っぽかった。けど、断言できるかっていうとそうじゃない。獅童の目線は描かれてないから、特に悪役に映るだけかもしれない。
まだ懲りずに、ここでもなにかを決定付けたい自分がいる。笑
もし、2人が最後亡くなっているとしたら〜あそこはこうでああで。生きてるとしたら〜あれがこうでああで。
あれ、しょーもない。つまんない思考回路。笑

母の目線から入り、子を持つ私はまんまとその母の目線に乗っかってしまい。
よく言えば作品をものすごく楽しめた。
私は自分の子どもが、誰にも言えない思いを抱えた時、どう接するのかな。気づいてあげられるのかな。
性の悩みに恐らく初めてぶち当たった子どもに対して、それを簡単なことだとあしらってしまいそうだなと思った。「星川くんは女の子っぽいし、しゃーない。自分が同性を好きだと断言するにはまだ早い!」みたいな。マジでダメだなこれって。こんな親に絶対相談しないよな。笑
校長の、湊と初めて話すシーン。あーこういうのもあるのか。いいシーンでしたね!すごく。趣きってこういうことよね。
しかしまぁ、湊を救うのは母でも先生でもなく、あの校長であったと。いいですね〜。

大作であるのは間違いなく、意外と03角田とか野呂佳代が馴染めてることも、地味に感心。(もっと言いたいことは山ほどある。)

真実ってなんだろうか。見た人が信じたいものを真実っていうのかな。
作中、見る側は常にその問いかけに対して、自分なりの答えに似たなにかを探す。
誰しもそれぞれが、それぞれの正義の中で生きていて、誰かが貧乏くじを引いたり、皺寄せを受けたり。そんなことが繰り返されていくんだなぁ。
人間って本当にめんどくさい上に、めんどくさい生き方してるよね。

生まれ変わったら何になれるんだろうなぁ。
なんかあったなぁ、子どもの頃。秘密基地みたいなのを見つけるのが得意で、やっぱり親にはもちろん、クラスでもその子にしか喋れないことってあったよな。
その子にすら喋れないこともあったよな。
今より、その喋れないことが重くしんどくのしかかってたよな。
今となっては、そんなこと〜と軽く飲み込めるけど、親である以上、その頃の子どもの気持ちの重さは忘れちゃいけないなぁ。

全くレビューになりませんでした。
言いたいことも何も言えてないです。
是枝監督の撮る子供はやっぱり抜群。
これだけが言い切れる内容だった。
あと他の是枝作品より、圧倒的に映像が綺麗だと感じた。好みの問題。音楽も最高でしたね。
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