このレビューはネタバレを含みます
是枝監督の子供たちの描き方の上手さに舌を巻く。
どんな演技指導をすれば子供にこんな演技をさせられるのだろう？
先日の日本アカデミー賞で安藤サクラがこの作品で最優秀主演女優賞を獲ったが、この映画の主役は間違いなく二人の少年、黒川想矢くんと柊木陽太くんだ。素晴らしい、とても素晴らしい。
そして二人だけのシーンがとても美しい。
「怪物だぁーれだ？」
序盤は小学校の担任教師、森が、そして校長伏見が怪物に思える。
事なかれ主義の煮凝り、こいつらに人の心はあるのか!?
シングルマザー、サオリと共に怒りに震える。
...が、次のターンで教師、森目線で物語が描かれ始めると、世界は逆転する。
今まで感情移入して観てたサオリがモンスター・ペアレントに見えてくる。
そう作ってるからね、作り手が。
完璧なミスディレクション、ズルい、あざとい。...が、上手い。
怪物は誰だ？
しいて一番の怪物を上げるとすれば、星川くんを言葉で虐待してる父親、中村獅童演じる父親だろう。
だが、この作品はそんなわかりやすい結論で終わるものではなかろう。
人の心の中の猜疑心.... それかな？
まぁ明確な答え出す必要ないけどね。
是枝監督の作品の中で「誰も知らない」に次ぐ傑作だと思う。好き。
（追記）
ちっさな役だけど、いい加減なデマ広める主婦（？）役の野呂佳代、メチャ似合ってたよなぁ。
是枝監督、キャスティングも素晴らしいんだよね。
瑛太もサクラも田中裕子も獅童も東京03もね。
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