だいぶ時間が経過しているのだが、備忘録的に。二度観るとより深く感じられて、味わい深い、不思議な映画体験だった。
坂本裕二脚本やっぱり面白い。
日本アカデミー賞で脚本賞ノミネートされなかったのが不思議。
何度観ても新しい発見があり、色々な解釈ができる。
シナリオブックを読んだらカットされているシーンもあったり、作品を深く考察できるのでおすすめ。
子供、親、学校…同じ状況でも誰の目線かでこうも変わるのかと。
時系列で話が進んだり戻ったり、とても引き込まれた。
子供は、大人が思いもよらないことを感じていたり、独自の"世界"がそこに広がっていて、無自覚に子供を傷つける周りの大人たちの言動や想像力、デリカシーのなさに翻弄される。
でも、子供だって嘘をつくのよね。
腑に落ちないことはあるのだが、幻想的なラストシーンが美しくて感動した。
是枝裕和×坂本裕二×坂本龍一の奇跡のコラボレーションは贅沢だった。
シナリオブックを読んで感じたこと
(ネタバレあり)
・保利先生の人としての不安定さ
校長室で謝罪するシーンは、小声で棒読み、鼻をかんだり、飴をなめたり基本的に非常識だったりモラルに欠けるところがある
・湊が父の遺影に対して言ったこと "秘密の友達"
・女子生徒が教室でBL漫画を読んで泣いていたこと。2人の仲を協力したい気持ち？
→猫と遊んでいたことを保利先生に報告したのはなぜか
・拘置所での校長と夫の会話の意味
・スーパーで走る子供に足をかける校長
・最後雨の中、傘もささず立っている校長
シナリオブックだと、水面に向かって歩き出す、と書いてあるけど…
校長(田中裕子)の冷酷さがまじでこわすぎて凄いインパクト。
ラストの解釈は観る者それぞれ違って面白い
フェンスがあって向こう側に行けなかったのに、ラストではフェンスが取り外されていて、自由に駆けていく湊と星川くんが良かった。
