アクセルガツキー

怪物のアクセルガツキーのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.1
まず、タイトルが駄目だ。
このタイトルの付け方に作り手の残酷さと利己性が映っていると思う。

何が「怪物」なん? 考えろだと? そういう戯れ言は休み休み言って欲しい。このタイトルによって誤解を生み、結果的に誤爆であろうと傷つく人がいることを、まさか想像すらしない訳はないだろう(確信犯だと思う)。
これが、この「子供達の視点」からのタイトル、できれば良い感じに肯定的な(『君の名前で僕を呼んで 』的な)ものだったら、どれだけ信用できたかと思うが、そもそもそういう発想がないのかもしれない。

いろいろ議論になった内容は追ったけれど、どれだけ言葉を重ねてもまったく説得力がないと思う。名は体を表す。確信犯でありながら言い訳をするというのは、どういう了見か。
(ま、ほめられたいんやろね。しかし、そんなモチベーションで作られたものを評価することはできないよ)

同様に、ギミックやミスリードが多すぎ。虚仮威しの連続。
だから結末も「そりゃそうだろ」としか思えない。希望が見えるエンディングと言えば聞こえばいいけど(勿論その希望には同意するけれど)、だったらこの2時間、いらなかったんだよなぁ…(冷静に考えてみて欲しい)。

興行を優先した作りだと思う。
悪くはない。が、それで傷つく人のことなんて一顧だにしない(後付けで言い訳するおまけつき)。
くり返しになるけど「悪い映画ではない」。決してそれ以上ではなく、そして、それ以下だ。