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怪物のwaのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.2
物事を一方向からしか見ないことの怖さ。実際早織視点での保利はいかにも無気力な教師で悪者だし、湊も何を考えているか分からず危うかったが、視点が変わると印象が逆転するというのがとても現実的だった。また、現実でも作中のようなことが起きた時双方の意見を聞くことが必要とされるが、誰かの「意見」な時点でそれはもうバイアスがかかった状態だから、神の視点がないとどうしても第三者としてフラットに物事を見れないよな〜と思った。校長室で保利が気のない謝罪をしたのも実は自分で釈明しようとしたものの止められていたというオチだったし…。
自分の幼少期もそうだったかもしれないが、子どもは色々なことを考えながら行動したり、時には誰かを守るために自分を犠牲にしたり嘘をついたり、大人が思うよりも遥かに多くの経験をしながら生きているのかもな…。全てを知らなくても、まず信じることの方が大切なのかもな、とすら思う。
日本アカデミー賞での黒川想矢くんのコメントに感銘を受けて今作を観たけど期待以上だった。
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