レ

怪物のレのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

嘘くさすぎるし、やたらと気を持たせる演出をしておいて覆いを開けたら何もないのが解せない
嘘つくなみたいなシーン多すぎるが、特に「は〜?」と思ったシーンが下記

・校長と金管を吹くシーン
校長という立場や、ある種の「お役所仕事」に固執し、社会的な規範でがんじがらめの老人が、子どもに意味深長なこと言ってホルン吹かへんやろ

・電車を飾りつけるシーン
子どもが電車の中を飾りつけるモチベがなさすぎる。ただのほら穴を電車に「見立て」て遊んだり、割り箸を「代用」してパチンコにしたりするのが子どもであって、あんなにアトラクションとして作り込まへんやろ、キャンプの配信でもすんのか?まあ大人が映画を配信するんですけど……。

あと、子どもが「ワーー!」と叫びながら雨上がりの森を駆けていく最後のシーンも嘘すぎるでしょ……。川村元気だから?挙げていったらキリないからもういいけど、そういうナメてるシーンが多いので腹立っちゃった!!!!

大人の発言も子どもの言動もそれっぽいだけであんまり意味がなく、特に前半はその場その場の表面的な「奇妙さ」「収まりの悪さ」を出すために使われている感が強い。ライターを安藤サクラの息子が持ってたのとかがそうで、要らん情報を増やしてるだけの描写が多い。堀先生がガールズバー行ってたことも堀先生の性格や内面とほとんど関係ないし、校長が生徒に意味深長なことを言うシーンも校長の人物像を際立たせるというよりは、とってつけた印象を強めるだけ。全体的にそんなんばっか。
で、それが何かというと坂元裕二の連ドラの手癖なんじゃないか。

連ドラで、来週どうなっちゃうの〜?と思わせぶりに引いて、翌週で意外と話の本筋に関係ない勘違いだった、みたいなのはままあるし許せるけど、映画でやるならいろいろ調整しないとうまくいかないわけで、この作品がキモいのはそういう話の引きで雑にハッタリを出してくるところ。単純にミステリだとしても下手すぎるでしょう。はあ〜〜これでカンヌで脚本賞なの?まじで?坂本裕二は映画と手切ったほうがいいんじゃないか。

ただ、そもそもこの作品は、「こういう人間なんだからこうだろう」という思い込みを裏切っていくことそのものを題材にしている(シングルマザーだから口うるさい親なんだろうとか、ガールズバーに出入りしてる先生だから他の行動も怪しいだろうとか、男だから云々とか)部分があるので少しだけ厄介だが、それでも「作劇が下手なだけ」という批評を躱すのは無理だろうと感じる。作劇が下手なだけなんじゃない……?


(中略)

わかったよ、トム。俺達も絶対にこのタイト・ロープからはおっこちないようにする。誓うよ。
レ