Chi

怪物のChiのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

すげえ。映画鑑賞をしばらく怠け、久しぶりの映画館ということもあり、作品にも映画体験そのものにも終始感動が止まらず、ただスクリーンの前に座っていたら、その時間が過ぎていた。

日本語から少し離れた環境にいることもあって、安藤サクラさんが話し始めただけでほっとする。その演技で人物の立場や背景を想像させてしまう安藤サクラさん素晴らしいです。(これは自分的良い日本映画に出会ったとき、しつこく言いたくてなってしまうことなのだけれど、日本で生まれ育ったことで翻訳では説明出来ない雰囲気のようなものを感覚的に理解できることが、とても贅沢なことだと度々思う。)

ストーリーは、ヒューマンホラーからミステリー、ロマンスへ移り変わっていくような展開。エンドロールで脚本が坂本裕二さんだったことを思い出して、そうだよこんなの坂本裕二さんだから書けるのね、となった。
カンヌでクイア・パルムを獲ったことだけ情報が入っていたので、彼らの関係性についてはなんとなく知っていて、でもそのせいでかおかげか、まだ何も詳らかにされていない割と初期段階から心が締め付けられて仕方なかった。

怪物は一体誰なのか、という疑問について。死んだ目をした教師、子供のことは何でも理解していると思っている親、個人的には誰もが人間だったと言いたい。唯一人間の心がない人もいるか、と考えたが、泥酔してよろけて道に倒れる姿、人間だった。

そして何よりも美しいもの、怪物だろうと人間だろうと誰にも邪魔できない二人だけの世界。ナマケモノのシーン、愛しかない。(好きすぎてどう文にしたらいいか分からない。)まだ子供の二人の名役者に拍手とありがとう。
今はフラットな気持ちで純愛に涙するばかり。ただ、もし自分が子を持つ親だったらどんな目線で見て何を感じるだろうか。
ここがこう良かったとと一つ一つ取り上げたいシーンが多すぎる...感じたことの全てを上手にまとめて表現することができなくて悔しい!
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