じゅ

PATHAAN/パターンのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

PATHAAN/パターン(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

投げられる銃の視点の画は初めて見たわ。あれめっちゃ良い。


インドがパキスタンの自治を脅かす政治的決定をしたのにブチぎれて、インドに恨みを持つ"悪魔"を雇った一方で、インドは傷病兵を治療して結成したJ.O.C.R.のゴリゴリのエース、開幕投手にして先頭打者のPATHAAN(パターン)がその悪魔を止めるべく動き出した、っていう内容。
悪魔(ジム)は元はパターンと同じく祖国インドに忠誠を誓った最高の兵士だったけど、海賊の逆恨みで妻を胎内の子ごと殺されて、その時に自分達を見捨てた母なるインドを憎悪していた。天然痘のウィルスを改造して造った生物兵器でインドを脅かす。生物兵器を搭載した爆弾は旅客機に仕込まれ、そのままデリー上空へ。ついに大佐は子供含む乗客300名と乗組員を犠牲に撃墜する決断を下すが、すんでのところでパターンがジムから奪い取った装置で解除した。


なんか、エンドクレジットやたらスカスカじゃない?フォントサイズ小さい?にしてもこの規模にしては人少なすぎだったような。DANCERSが多く見えるレベル。ようやり切ったな。

てか、いちいちSEが大袈裟なの超楽しい。IMAXシアターがずっと音圧で振動してんのよ。一発殴る度にちょっとした爆発くらい震わすじゃん。


兵士は見返りを求めない、求めるとすればそれは祖国への貢献だ、ですって。かっけえじゃん。
でもジムの過去を聞いて「工作員と家族の費用くらいだせないもんですか」みたいなこと言ってた辺り、そのメンタリティだとゆくゆく苦悩することになりそうだなって気もしてる。まあそんな野暮なこといいか。

こんなかんじのやつが例えばアメリカから出てきたら、まあ定番で楽しいなっていう程度にしか思わない気がする。でも、インドから出てきたらなんで新鮮な楽しさを感じるんだろう。俺はインドに何が見えてるんだろう。
やっぱ、なんというか、主役のいろんなとこが極端に振り切れてて輝かしすぎる描き方をするとこなのかな。パターン兄貴、強すぎ、顔良すぎ、体バキバキに仕上がりすぎ、人柄良すぎ、情に篤すぎ、愛国心真っ直ぐすぎ。あと歌って踊れすぎ。特にこの屈託のない愛国心というか忠誠心を演出できちゃうのは、言ってみれば国民性という言葉に集約されるのかなって気がする。知人がインドの映画館に行ったときインド万歳な場面ですげえ歓声が上がったって言ってた。
俺はそういう文化圏の人間じゃないから、そういうインド的な(?)やり方が新鮮で楽しいのかな。まあ歌と踊りを挟む文化については言わずもがな。


そんで、Momかっこよすぎるな。そらあパターンだってあなたほどの英雄を知らんて。
ウィルス研究所を封鎖して歩き去るパターンの背後から次々と自決の銃声が響くところはパターンと一緒に泣いた。あの一発ごとにパターンの肩に仲間の願いが乗っかってったのだ。たぶん。

マム、なんか『007』のシリーズでジュディ・デンチがやってたMとふと重なって見えたのは気のせいだろうか。殉職っていうイベントはやっぱでかいからな。
雪山の中の研究施設とか氷の湖にドボンとか(そう思うとルバイもボンドガールならぬパターンガール?)、なんか007を思い出すような場面がちょこちょこあった気がする。まあ、気がするだけ。

何にせよ勇敢勲章に相応しいっすマム。
じゅ

じゅ