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戀愛の責任のmingoのレビュー・感想・評価

戀愛の責任(1936年製作の映画)
4.2
台詞なんて噛んでてもお構いなし、才気溢れるデビュー作たのしいたのしい!
大学時代村山知義の研究をしていたので大変感激である。高島屋デートのシコvs大宮ドライブサエコの2人がミヤコアピートのシンスケを取り合う始末。シコの19歳年上なのに弟みたいと言われてしまったりチャップリンみたいなお茶目さ溢れるシンスケ、確かに母性をくすぐる。仲悪い姉妹が出会うは女人荘、60円のサエコ裸体絵画を360円で売るのを許さずシンスケに70円持って来させサエコに対する思いやりを見せるも束の間姉には張り合う、なんだかんだいってまだハタチ。差し押さえられた財産を部屋に持ち帰る姉だがしっかり妹のモノだけを残しておく優しさが。天井から俯瞰したショットもおかしかったが序盤エレベーターから出てきた男女のギリ肩上を捉えたり、対面の机の下からわざと身体を切り顔だけを捉えたショットだったりアングルに工夫を凝らし全く観たことない映画に仕上がっていた。フジノの会社倒産やシンスケの母が倒れたことにより「結婚」に縛られない新しい女性像を描きあげ、日本の美術に多大なる影響を与えた偉人のエポックメイキング。
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