ナチスのプロパガンダ映画を撮った懲らしめで20年間程
映画界から追放されていたが60歳でカムバック
70歳で潜水ライセンスを取り、90歳でも水深30メートルまで潜り撮影、
2003年に101歳で亡くなったレニ・リーフェンシュタール監督が
自らの過去やナチスとの関係を語るドキュメンタリー
ドイツ人女優として恐らく史上最も有名なマレーネ・ディートリッヒと
若い頃共演したこともある女優さんだった
反ナチスであったマレーネ・ディートリッヒがハリウッドに逃れ
成功を収めたがレニはナチスのプロパガンダに加担した
映画監督として後の世まで汚名を残したのと対照的な人生
本人曰く当時は90%のドイツ人がヒットラーに熱狂しており
自分もその一人に過ぎないし美しい映画を撮ったことが
結果としてナチスの片棒行為になっただけ
エンディングで『私の罪は何ですか？』との問いかけが印象深い
ヒットラーが聴衆を催眠術にかけるように熱弁したのは「平和」「平等」「雇用の保証」
第一次世界大戦の敗戦で莫大の賠償金を払わされた不平等感や
失業が蔓延していた当時の状況に彼のカリスマ性がマッチし国民の90%の熱狂となったことは当然に思える
レネは実験を繰り返し彼女の求める映像美を支える先鋭技術を
編み出し続け90歳で自ら潜り水中の生物の映像を撮る本物の挑戦者
なのだがこのドキュメント自体が
彼女自身のプロパガンダと観る者によっては捉えるかも知れない
