ポチ

ミステリと言う勿れのポチのレビュー・感想・評価

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
4.1
原作漫画未読
連続ドラマ鑑賞済

総合4.1
物語5
演出4
音楽3
編集1
演技4

本作は同名マンガが原作
月9でドラマ化された人気作品

待望の映画化
原作の中でも評価の高い広島編を映像化ということで
原作ファンもドラマファンにとっても
期待された作品

あらすじ
広島で狩集家の遺産相続に巻き込まれた久能整が事件解決をする
シンプルな物語


鑑賞後の率直な感想は、
達しなかった。面白いし、見応えもあるし、よく出来たストーリーや人物相関図で、見事なんだけど、達しない。

物足りない感じの足取りの帰り道


良い点
・人気ある広島編の映像化
・整くん全開
・ヒロインの頑張り
・謎と醜さが絡まるストーリー
・豪華キャスト
・美術

悪い点
・尺問題
・編集の拙さ
・音楽
・動機

良い点から
人気ある広島編ということで、見応えたっぷりで、よく練られた物語で間違いない
何層にもなっている謎と人々の想いが複雑に絡まっている

今回も整くんのウザくてペラペラお喋り全開で、クスッとしてしまう、圧倒されるシーンが多い

でも少し抑えてる感じがした
前半は物語を動かすために最小限のお喋りパートで話が進む
後半には待ってましたと言わんばかりの独壇場
少し強引な所も整くんらしくて、誰も止めないのも笑いになるほど

今回ヒロインに選ばれたのは、新海監督の「すずめの戸締り」で声優をされた原菜乃華さん
整くんのパートナーという大役を頑張っていたと思う
少し荷が重いくらいの出演時間とワンショットが多く
無名に近い彼女にはあまりにも背負わせるのは大きい作品ですが、目ヂカラ、覚悟を見せる役と、彼女の作品への覚悟が重なって見えて逞しさもありました

知名度の無さから評価を下げてしまうのは勿体ないくらい、原菜乃華さんは素晴らしい眼差しだったと思います

キャストの豪華さに圧倒されました
少し怪しい配役もありましたが、特に自殺されたと言われるあの人

気になる点はあったものの、あまりの豪華さに犯人が誰なのかミスリードされました

物語の規模からかなり美術も大変だったと思います
実話のように感じさせる建物や小道具、細かな美術は行き届いてたと思います
リアルすぎて気持ち悪く感じるほどでした

そして謎、謎自体は整くんが解き明かすのでこちら側は考える必要はないんですが、
一緒に謎解きしてました

答えは斜め上の方向から出てきましたので評価は難しいのですが、
実際に昔あった事件などを活用してるのだと思います
まさかの真実でしたが全くありえないストーリーでもないのでおぞましさがありました
原作者の頑張りですね


悪い点
うーん、尺足りてない
明らかに前半と後半の時間の配分が悪い
後半の駆け足感が内容の濃さとのバランスが悪い

編集が酷かった
物語に罪はないです、とにかく乱暴な場面転換や、映像の差し込み、
タイトルの出し方や、カット割り、とにかく編集が気になるシーンが多く
説明的すぎる映像の使い方が気になります
同じ映像の使い回しの多さや
いきなり入ってくる違う場面の映像など
荒っぽくて映画らしさがなくてテレビ的でした

音楽がイマイチ
今回の挿入歌はピンと来なかった
それと音楽の入れるタイミングの悪さが何回かあった
いかにもな音楽で状況がバレてしまっていて
ここ泣く場面ですみたいな紹介があり冷めてしまった

あと犯人分かるようにする演出がどうなのかなと、
明らかにこの人怪しいというセリフと、なんでそこにいるのってシーンがあって、この人犯人って分からせに来るのがちょっと何だかなと

それとこれは映画ではなく原作への意見になりますが
現代に過去の過ちを隠すための、いわゆる間引き的な行為は少し有り得るのかという疑問が残るのと
マンガ読んでないんですが、
4人兄弟の子供が全員一人っ子設定なのは気になる

繁栄と間引きを同時に行うのは不合理が必ず起きるし、
もっと早くに問題は露呈してるはずなのにここまで隠せてたというのもご都合に感じる

自分たちが犯罪者の子孫という重たい議題に立たせられているのに、
すぐにヒロインが親を殺した原因、
それを否定し守る従兄弟たち、
情報が多くて最初の大きな問題がどこか置き去りになってしまい
最後笑ってるのも、おいおいと思ってしまう

本当の子孫に会うシーンは感動的で石を使ったアクセサリーを配るシーンは感動的だけど、イマイチそのアクセサリーが良くないというか絵的に弱い
もっと何か映画的にアレンジ出来なかったのか

それを身につけてるシーンもないし、過去と重なる意味のある伏線もないし、今の彼らを知っている側からの贈り物って感じで、
本来はいつ渡すのか分からない期限のない届け物なのだから、今現在の含みがあるのは不自然だなと細かいことが気になった

それは上手く本来の子孫である女性がその場に合わせたと腑に落として片付けた
だけど、
整くんが最後まで残り彼女を助けた動機も見つからず、謝礼もなく
細かい保管がなくてマンガなら分かるのかなと片隅で思いながらのエンディング

続く含みを持たせてEND


ドラマも全部観てスペシャルドラマも観てワクワクの初日鑑賞
物語も謎に継ぐ謎で、まさかのどんでん返し的な展開とヒロインに背負わされた過去と一族の秘密
整くん全開のウザトークとほっこりシーン
2時間では収まらない濃いストーリー
見応えたっぷりでした

最後にこれだけは言いたい
お母さんの役割薄すぎない?
ポチ

ポチ