大人気コミックが原作の本作は、元々2022年にフジテレビの月9枠で菅田将暉主演によって放送されていた。膨大な知識と独自の価値観で持論を展開し、大学生の久能整（くのうととのう）が次々と事件を解決していくストーリーはかなり面白くて毎週楽しみに観ていた。
菅田将暉の映画は「そこのみにて光輝く」（2014）からほとんど観ているのだが、本作もカメレオン俳優菅田将暉の魅力がいっぱい詰まった作品になっている。
天然パーマにぐるぐる巻きのマフラーという相変わらずの出で立ちで登場した久能整（菅田将暉）は、観光のために広島を訪れていた。犬童我路（永山瑛太）の知り合いだという一人の女子高生狩集汐路（原菜乃華）と出会う。狩集家の莫大な遺産相続に関する相談を持ち掛けられた。そのいわく付きの遺産相続には世代を超えて受け継がれてきた一族の闇と秘密が隠されていたのだ。
コミックは読んでいないのだが、菅田将暉ほどピッタリな久能整はいないと思わせる自然体の演技は、テレビドラマで観ていたそのまま。アフロヘヤーというのか、ポップコーンパーマというのか、モジャモジャ頭は見た目からしてかなり変わっている。どんなことでも常に疑問を持ち、とことん突き詰めて考え、それを口に出さずにはいられない、やたらお喋りで変わり者の大学生久能整を菅田将暉が見事に演じている。相変わらず名言も飛び出す。
伊藤沙莉や尾上松也達との面白い掛け合いは観れないが、本作のキャストも超豪華。
鍵を握る狩集家の弁護士の息子に松下洸平、汐路の母は鈴木保奈美、父が滝藤賢一、汐路と遺産を争ういとこに、萩原利久、町田啓太、柴崎コウ、他に松坂慶子や松嶋菜々子まで登場して十分楽しめた。
広島の観光名所を大画面で味わうことも出来て得した気分。
また主題歌のKing Gnu の新曲「硝子窓」がエンディングで流れたが、優しい歌声が胸に沁みて素敵な曲だった。
