こうみ大夫

すべての夜を思いだすのこうみ大夫のレビュー・感想・評価

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)
5.0
濱口竜介、三宅唱とはまた別の世代のスローシネマ、それが今様々な監督によって為されていると思う。清原さんのこれは金字塔になったという印象。
とにかく音が良い映画だった。映像で言うところのローコントラストというか、たぶんアンビエンスと台詞のバランスが普通より対等なんだと思う。こんなにみんなが聴き入る映画館体験も久々だったし、ポップコーンは向いてないかも。演技・音楽・映像・美術も同様であるから、これら明らかな狙いだと分かる。
偶然と想像の時にふと聞こえた救急車の音。私たちが消し、隠していた何かは日常を現す大切なパーツだったと気付かされる。
それにしても日本はいつの間にかスローシネマの旗手となり始めている。アフターサンに負けてない。いつかかつてのJホラーのようになっていくんだろうか。どうなんだろうか。
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