社長

すべての夜を思いだすの社長のレビュー・感想・評価

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)
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冒頭、野外でのバンド演奏を収めるカメラがゆっくりとパンし、遠くにみとめられるベンチに寝そべる人が軽い体操をしている。
絶えずフレームの外側に存在する世界が、慈しまれるほど熱を帯びるわけでもなく、ただ「いる」という感じ。
規格化されたニュータウンの一戸一戸にもあるそれぞれの生の、開けた空間での遭遇、ダンスの模倣や自転車で通りすぎることが、小さな、しかしこのアンビエンスの中では鮮やかな瞬間を見せている。
ホームビデオの誕生日パーティーのそれぞれの夜に続いて繋がれる、バスの車窓から見える夕日に、そうかこれって一日の出来事か、と穏やかに感動した。
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