Koshii

マイ・エレメントのKoshiiのレビュー・感想・評価

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
3.7
エレメントだから、こんなにもロマンチック。

予告のフライヤー見てね、観に行こうと決めてたやつです。

金曜日のレイトショー。字幕版でやってるとこ探して、マジカルワールドオブディズニーナイト。

シンデレラ城に、星に願いを。これだけで嬉しい。

今作のテーマはエレメント。様々な元素が暮らすエレメント・シティでのお話。

草木、水滴、気体、彼らは平気。お互いがお互いを尊重し合って生きてける。

でもね、炎はそうはいかない。水には消されてしまうし、自らは草木を燃やしてしまう。だから、エレメント・シティでひっそりと暮らすしかないのです。

どこか、現実世界の縮図のよう。

夢、家族、愛。この3つを軸にして、お話が進んでいく。炎のエレメントである、エンバーは熱くなりやすいけれど、人一倍思いやりの強い女の子。水のエレメントであるウェイドは、情に脆いけれど、人の気持ちに寄り添うことのできる優しい男の子。


出会うことのない、彼らが出会ったとき、どのような化学反応を起こすのでしょう。

私たちは、彼らと共に、スクリーンという名のフラスコで、揺り、揺すられながら大事な何かを探していくのです。

以下、ネタバレを含みます。












ズートピアや、シュガーラッシュオンラインのような、街並みはそういう世界観。そして、とこか、短編映画のような気楽さ。

火と水が混じり合う。これってRRRじゃんと、内心思いながら、観てたよね。心なしか楽曲もインド映画っぽい(jai jaiとか流れるかと思った)。

エンバーのキャラクターがめっちゃ好きで、とってもキュート。溶接シーンはアナ雪のエルサのよう。

お話自体は予定調和で、古い考え方を打破していくような物語でもあり、2006年のディズニーピクサー映画と言われても納得できるような、安心できる映画だった。

ポリコレの主張の激しい令和という時代だから、擬人化という手法ならとことこんやれる。そんな印象も抱いた。炎だから怒りっぽい、水だから泣き虫、あからさまな種族の差別、迫害、それに伴う階級の存在、違うエレメントどうしでの恋愛などなど。

この作品に対しては、いくら隠喩に富もうが、それをポリコレ的な見方で指摘することはできない。彼らは、人間ではないから。
Koshii

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