火水土風の4つの種族が暮らすエレメンタルシティを舞台に、火の少女エンバーと水の青年ウェイドの恋模様と、エンバーのルーツにまつわる物語。
これは期待の数倍面白かった!正直言って舐めてました。さすがピクサー。お見それしました。
監督の実体験に基づくインターレイシャルカップルの問題が描かれており、人種差別問題など重たい社会的テーマを扱いつつ、エンタメ具合とのバランスが絶妙で楽しめます。そして移民1世の親世代の辛苦と、それを見て育った2世がどう生きるべきかという第二のテーマも、移民国家アメリカにおける切実な問題として描かれており、『ミナリ』や『エブエブ』といった作品が思い起こされました。
また、火・水といったエレメントの映像表現の豊かさ、細やかさが本当に素晴らしい!ころころ感情が変わるたび、エレメントの様子が変わる主人公ふたりの顔を見ているだけでも値段分の価値があったと思えるほど楽しかったです。
日本語吹替キャストの演技も良くて、違和感を覚えることなく画面に集中できました。最近の吹替はタレントキャストとバカにできませんね。川口春奈が特に良かった。
テーマを読み取れる大人はもちろん、小さいお子さんでも面白い、老若男女問わず楽しめる安定のピクサー作品。ぜひこの夏休みに劇場でご覧ください。