ちゃにー

マイ・エレメントのちゃにーのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

人間以外のキャラクターが繰り広げる群像劇、ラブストーリーがピクサーの王道って感じ。

舞台であるエレメントシティは移民大国、夢を掴むの象徴であるアメリカを彷彿とさせる。

異文化交流と差別の問題をこれまで色濃く描いた映画はズートピア以来だとおもいます。

特に興味深かったのがエンバーの父親バーニーでした。彼は水に嫌がらせを受けたことで水にたいして嫌悪感を抱きます。しかし、それはいつしか偏見になり、何も悪気のない水のウェイドに対して嫌がらせをします。嫌がらせ、差別、ヘイトはさらなるヘイトを生み、連鎖になっていく。その連鎖を切らすことがとても大切だと思います。ウェイドの優しさの性格がその連鎖を打ち切ったのではないでしょうか。彼はバスケット(?)の観戦中、酷いヤジを浴びせられる選手に同情し、彼を鼓舞。文字通りウェーブを起こしました。(それにしてもなんで野球とかの観戦のヤジってこんなに酷いのか)ネガティブなことに振り回されず、ポジティブな発信をしていくことが憎しみの連鎖を断ち切っていくことだと思えた。

伏線回収をしていく演出も見応えがあったと思う。エンバーが不向きな接客で店のウィンドウを壊した時、器用な動きで直していくところが後々、彼女の得意な分野である陶芸をすでに暗示していた。オープニング、バーニーが海を渡ってくる場面も「水」と「火」の共存というテーマを最初から表していたのも興味深い。

久しぶりにピクサーらしい王道の映画を見れたと思う!