おなべ

マイ・エレメントのおなべのレビュー・感想・評価

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
3.8
◉たとえ時代の巡り合わせだとしても、本作のような作品が誕生して素直に嬉しい。映画は時代の写鏡。こんな時代だからこそ、大人も子供も、今観るべき作品。

◉ウォルト・ディズニー創立100周年記念&長編27作目となる本作。火・水・土・風のエレメントたちが暮らす世界で、異なる種族の交流と対立、そして家族愛を描いた物語。

◉周辺全域の映画館で字幕上映がなく、やむなく吹替で鑑賞。声優に違和感はないものの、それでも若干頭の中でチラつく…。字幕上映を増やして!

◉ここ数年、世界的に“多様性”が注目されている。多様性という言葉にかかるのは、人種やジェンダーに限らず、年齢や嗜好、生き方や価値観に至るまで広範囲に及ぶ。そんな多様性に関する現代的な問題を、さっそく2時間にも満たない物語に落とし込み、大人も子供も楽しめる感動必至のドラマに昇華したディズニー&ピクサーはやっぱり凄い。

◉なぜ嬉しいかと言うと、いつか来るであろう差別のない明るい未来を予感したから。子どもはきっと本作を観て、いつかピンとくる日が来るはず。人種・ジェンダー・イデオロギー・生き方etc…映画の中の事象と日常生活。点と点が繋がり、例え無くなることがないとしても、差別や偏見を持たない考え方が浸透し当たり前になる日が、少しずつ少しずつ近付いている。

◉そう言った意味でも、今はまだ新しい考え方の“多様性”が、「当たり前」として描かれる本作は意義深い。差別や偏見、旧態依然の古い価値観に囚われず、個人が尊重され自由な選択肢で生きていい事を、かくも容易く文化や言葉の壁を乗り越える事ができる事を、この差別と偏見に満ちた混迷の時代に生きる我々(特に純粋な子ども)に明示してくれる。

◉ぜひ、道徳の授業 or 新しい教育課程に「映画教育」を。主観が混じってるとか、説教くさいとか、価値観の押し付けとか、幻想とか、綺麗事とか言われるかもだけど、そんなのどうでもよくて、観れば観るほど世界は広がり、自分が本当に進みたい方向に導いてくれるから。アンチには中指突き立ててれば大丈夫☺︎(←映画の悪い影響)











【以下ネタバレ含む】











◉性質の異なる2人が初めて触れ合うシーンは勿論のこと、ラストの互いに敬意を表するシーンに思わず感極まって涙…。

◉脇から花が咲くのはキツいと思ってしまった自分は偏見か⁉︎


※40作ほどレビュー滞納を差し置いて、取り急ぎレビュー。
おなべ

おなべ