主人公はお父さんのお店を継ぐために東奔西走する、ちょっと怒りっぽい炎のエレメント、エンバー。エンバーたちの他には、風や水や土のエレメントが存在する。エレメント同士には相性のようなものがあり、例えば土に対して炎が近づいたり触れたりすると燃えてしまうという関係がある。ある時、エンバーは炎のエレメントたちが苦手意識を持つ、水のエレメント、ウェイドと出会う。これまでお父さんが守ってきたお店が、ウェイドとの出会いにより経営を止めなければならない事態になってしまう。この困難を乗り越えるために、エンバーはウェイドの後を追う。
とにかく綺麗すぎるアニメーションにまず感動しました。エレメントたちが住む街並みはそれぞれに特徴があって、細かくて、カラフルで、すぐに別のシーンになってしまうのが惜しいくらいそれだけで見応えがありました。
ピクサー作品は命のないものに生命を吹き込むのがとても巧みだなと思いますが、特にこの作品では顕著でした。1人ひとり(？)のキャラクターが感情を持っていて、でも人じゃないというこの設定が、観る人に共感させるのだと思います。人じゃないから、誰もが見やすいからです。
キャラとキャラとの出会いが奇跡を起こして、少しずつ新しい世界を開いていく様は感動します。後半はずっと泣いてました。
この作品に登場するキャラクターはエレメントだけど、肌の色の違い、性別の違い、生まれの違いなど、現代の人たちが抱える様々な問題と重ねてみることができます。一人ひとりが他者に歩み寄ることで、さらに素敵なことが待っているという希望を抱かせてくれる作品です。そういった見方が好きな人にぜひ見てほしいです。
