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マイ・エレメントのKHのレビュー・感想・評価

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
3.5
現時点で考え得る全てのコンプラ(人種、ジェンダー等)に配慮して作られた作品は、さすがピクサー。
面白いがすごい面白いわけではないけれど、この映画の凄さは感じる。
ポリコレなど最近よく揶揄されるが、面白さを少し削ってでもコンプラを守ることが現代の映画の正しさの1つの指標だし、より加速するんだろうなと感じた。
アニメーションは実写に比べてリアルではないため現実を捨象することで記号的な世界になる。マイエレメントはその点で現実に対しかなり記号的な要素が多く、観客にそこを読み解く作業をさせる所がすごいなと思った。

火の種族は差別されながらも、明確で決定的な差別が存在している訳でもない。
また富裕層とは即ちある程度の知識層であり、リベラル思想がある。だからこそウェイドの家族はエンバーを必要以上に気遣い、それがエンバーの居心地の悪さにつながっている。その表現が秀逸だなと思った。
あと、エレメントの世界の設定の作り込みが緻密。

ピクサーは毎回作中に出てくる日本語のフォントがゴシック体?で、世界観にマッチしてなくて浮いてるのが物凄く気になるから、ちゃんとデザインして欲しい!

あとウェイドのキャラが立ってて可愛いかった。
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