脳みそ映画記録

マイ・エレメントの脳みそ映画記録のレビュー・感想・評価

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
3.0
 これは映画館で観て良かったー。てか字幕上映少なすぎでしょ。地元は1劇場しかなかったですよ。

 火や水の映像表現が魅力のひとつと思います。PIXARではトイ・ストーリー3の冒頭のRC救出シーンの雨の水表現を超えるシーンはいまだかつてないと思いますし、もう出ないと思います。

 本作ではついに水自身が主人公になります。正直トイ・ストーリー3の雨を超えるかといえばそうではないのですが、(マイエレメントはファンタジー的でトイ・ストーリーは現実的な表現なので比べるのは土俵が違うでしょう)それでもかなり力を入れているというのはよくわかります。
 さらに炎もキャラクターとして確立させているので、アニメーター達はかなりの尽力を要求されたことでしょう。

 監督自身が移民由来であり、本作にも移民問題の側面テーマにしていると語っていますが、正直この街における炎族に対する扱いって差別的かと言われるとちょっと首をかしげます。
だって炎が歩いてたら普通に危ないじゃないですか。土族とか樹木に引火したらおしまいでしょ。避けられたりするっていうのは「いや、そりゃそうだよね。」って思ってしまいます。しかもキレやすい気質って更に危ないじゃん。
移民だから忌まれる訳じゃないような気がして、テーマ性については腹に落ちなかったです。

 ですので、エンバーと父の親子関係についてがテーマの映画として観ることにしました。
父親の夢を娘が受け継ぐことを期待されているが、娘には別の夢がありそのせめぎ合う‥。なかなかこれは良かったですよ。ちょっとうるっと来てしまいましたもの。しかも炎の女の子で炎表現でも心情の揺らぎが表されていて、PIXARお見事といったところです。