たにたに

マイ・エレメントのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

【ブルーファイア】2023年95本目

そこは火・水・土・風のエレメントが暮らすエレメントシティ。

監督は両親が韓国移民の韓国系アメリカ人ピーター・ソーン。
本作では火をアジア系。水を白人系。のメタファーとして捉えており、ディズニーらしい異文化異人種をテーマにした子供も楽しめる作品に仕上がっています。

火と水という相容れない存在同士の恋愛物語ということで、共存できないと思われていたものが心を通じ合わせることで奇跡をもたらすという感動物語。

水は火を消火し、火は水を蒸発させる。
どう考えても触れることができない2つのエレメントの特徴を上手く物語に反映させています。

お互いの恋に気づき、手を取りあうシーンは幻想的でした。


さて、もう一つの軸が主人公である火の女の子エンバーの夢について。彼女は幼い頃から、早く一人前になって父親の店を継ぐことばかり考えていました。それは家族の伝統を重んじるという文化から来るものでしょう。
しかし、エンバーはウェイドと出会い、外の世界へ飛び出したことによって、違う感性や自分の得意なことに気づき始めます。
もちろん伝統を重んじることも素敵なことです。ただ、チャレンジする機会を抑えつけてはなりません。様々な文化や人と出会うことで、自分では気づかなかった才能にも出会える可能性があるということ。これは忘れてはなりませんね。

何事も二極化して考える節が人間にはありますが、水と火が対立する物という考え方はマジョリティでなくなるかもしれません。
もちろん化学的に事実である原理は承知の上で、"お互い打ち消し合う"という存在から"お互い支え合う"という存在という考え方に変われば、世界はもっとより良くなるのでしょう。
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