美麗な映像表現だけでも一見の価値あり。
水、風、土、そして移民である主人公、火の四大元素が暮らす街の話。
特に火の種族はその性質のせいで多種族から邪険にされがち。そんな種族間の軋轢がある世界で、火の少女エンバーと水の少年ウェイドが出会うストーリー。
子供も大人も楽しめる内容で、正直予想外の展開というものはない。
だが何より本作は映像美を楽しむ映画だと思った。
特に水の表現はピクサーお得意なイメージだが、それが遺憾無く発揮されている。水の少年ウェイドの体表に反射する景色はシチュエーションによってガラリと変化し、感情表現の手助けにもなっている。そこにクリエイターの力の入れようを感じた。
また、世界観の構築にもこだわりを感じる。火の種族の衣服には鎖帷子、建築には耐火性のものが多く利用され、水の種族の街は透明度の高く、流線型のデザインが多い。そこに暮らす種族の利便性を追求した結果、このようなリアルで美しい街づくりが実現したのだろうと感心した。
