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「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たちのmikutyのレビュー・感想・評価

4.4
大川小に通っていた我が子を亡くした親たちがなぜ国家賠償訴訟を起こさなくてはいけなくなったのかがよくわかった。
津波で証拠となり得るものが流されてしまったので、遺族たちが自分で証拠資料を集めて示さなければいけない。
一審前に原告団が並んで裁判所に入っていくところからこらえきれなくなった。

生き残ったE先生は命がけで児童を助けようとして、遺族への説明会でも懸命に責任を果たそうと力を振りしぼり当日の様子を明かしたのではないだろうか。
本来なら「生きていてよかった」「最期まで子どもたちを守ろうと奔走してありがとう」というべき被災者の彼を責めたててしまう父母たちは、とてもそんな言葉をかける余裕などなく冷静さを欠く状態だったといえる。 
先生に助けられた男児もバッシングを受けているようで、貴重な証言をしてくれる彼を周りは全力でケアしてほしいと思う。

明らかな人災なのに保身に走る石巻市教委や校長には怒りを禁じえない。
もし本当に教諭同士のくだらないいじめが原因で「山に逃げましょう」という提案が受け入れられず、子どもと大人のたくさんの命が失われたのなら、ふざけるなと言いたい。

遺族や生き残った児童たちだけでなく、E先生に心休まる日が訪れ、いつか回復することを切に祈っている。
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