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絶好調のtakのレビュー・感想・評価

絶好調(1965年製作の映画)
3.4
ピエール・エテックスの短編。もともとはオムニバス長編のエピソードだったらしいが、再編集で独立した作品となっているそうだ。

ソロキャンプを楽しむ主人公。火をおこしてコーヒーを淹れようとしているのだろうが、なかなかうまくできない様子が続く。短編「破局」に出てくる文房具のギャグみたいに、失敗続きをおかしく見せるのはさすが。

ところが、一人楽しむ彼の元に警官がやって来て、同様の人が楽しむキャンプ場に行けと促される。自由に楽しむことが禁じられた社会なのだろう。行った先は鉄条網で囲まれた施設。ナンバーが付けられた区画で、様々な人が過ごしていた。そのキャンプは、保養や休日を過ごす場所ではなくて、難民が暮らすような野営地としてのキャンプ。そこの暮らしを楽しんでいる人もいれば、不自由な暮らしをしている人もいる。主人公が案内された番号はひどい水たまりがある場所でとても暮らせるところではなかった。

14分の上映時間が終わる頃、気ままに楽しむことが禁じられた状況から、主人公は脱出をする。それは自由を求めた脱走でもある。他のコメディ作品とはガラッと違う、管理社会の暗喩を感じさせる。
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