み

絶好調のみのレビュー・感想・評価

絶好調(1965年製作の映画)
3.8
草原でソロキャンプをする青年。
ただの草原だから、文明の力が使えずコーヒーすら沸かせないような不便な環境でも自然という自由の象徴に囲まれている。
しかし、警察官に管理の行き届いたキャンプ場に行くように言われてしまう。そこは有刺鉄線で囲われた、まるで強制収容所のような場所だった。
そこでは名前の代わりに与えられた番号と区画で自分自身のことが管理される。

秩序を重んじる管理社会を暗喩した短編。
コメディ調ながらも、管理社会における貧富の格差、全体主義的な教育など残酷さが垣間見える。
子供達は教官の笛で集められ、行進をさせられる。
収容されてしまう前の経済力がそのまま反映されているであろう区画整理や人々の暮らし。
金持ちは金持ち、貧乏人は貧乏人のまま、みたいな。
自由度はまったく無いな、と思った。
み