テッサロニキ映画祭にて。
ギリシャ悲劇「エレクトラ」にインスパイアされ第二次大戦下のギリシャを舞台にしたものらしい。
アンゲリキ・パプーリァ(ヨルゴス・ランティモス作品「アルプス」「籠の中の少女」のあの子)主演。
彼女のほぼ一人芝居、ユエン・ブレムナーは兄役だが声だけ。
ナチス侵攻下で戦闘訓練されたレジスタンスの女性が父を殺した母へ復讐をする話。
いくつかの章立てで語られる物語、ほとんどが穴に身を潜めているエレクトラ=主人公のCavewoman(具体的な役名はなかった)の顔またはバストショットのみで語られる。他の登場人物は遠目に聞こえる声だけ、周囲の状況は音だけ。
主演のアンゲリキ・パプーリャはほぼ動くことなくいろいろな表情で演技をしていて、9割以上それに頼るのは実験的な気もする。視覚的にはあまり代わり映えなく、まるでラジオドラマのようだったが、それと対比するように唐突に惨殺シーンもある。
彼女の不安、怒りなどは伝わるが単調だった。