絵本から飛び出した魔法のようだった…
ネラ様のシンデレラ、曲線的で滑らかで優美。アシュトンの音楽にぴったりで、どんな複雑なステップも軽やか
柔らかいんだけど、アラベスクとかプロムナードはきちんと直線的
ポワントで階段を降りるシーンも美しすぎる…感嘆。
2幕は本当にお姫様で、パドドゥもヴァリエーションも魅入ってしまう
1幕の箒を相手に踊るシーンも、背中の使い方が柔らかく気持ち良い
"本当は舞踏会に行きたかったのに…" "ガラスの靴、夢じゃなかった…!" ムニェスの表情いっぱいに表れていて、シンデレラの人形が欲しかったのに言えなかった3歳の自分を思い出して少し涙が出た
ヴァディムも貴公子の呼び名に相応しく、優雅で端正
シンデレラの義姉たちを男性キャストが演じているのも珍しい
女性の意地悪さというか、したたかさが少なく、滑稽でより面白みが出ている
金子さんの仙女も上品で美しく、腕の動きが滑らか
四季の精は、由姫さんの秋の精が一番好き
舞台トトロの美術を手掛けたトム・パイやアレクサンドラ・バーンの衣装が生み出す色鮮やかでファンシーな世界観が至福
様々な時代の衣装を組み合わせて時代を特定しないようにしていたり、舞踏会がガーデンパーティーだったり
花をモチーフにしていて、義姉たちは造花なのに対して、シンデレラや四季の精は自然の花で、シンデレラの可憐さが際立っていた
煌びやかなカボチャの馬車や、ジョルジュメリエスの世界月旅行みたいな月が描かれた時計の影
ボタニカルな花の装飾やプロジェクションマッピングにより星が降り、呪文が天に広がる演出が新しく、イギリスらしいユーモアが溢れている