富樫鉄火

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2022/23 ロイヤル・バレエ 「シンデレラ」の富樫鉄火のレビュー・感想・評価

4.5
#104
これは素晴らしい舞台だった。
夢のようなファンタジー絵本そのものだった。
アシュトン版は、音楽に振り付けるというよりは、アシュトンの振り付けに合わせて音楽が書かれたような、そんな印象さえある、ほんとうに見事なヴァージョンだと思う。
マリアネラとワディムはいうまでもないが、ほかのダンサーも、見事だった。
日本人がずいぶん出ていて、時代は変わったものだと感慨無量。
吉田都さんの時代がなつかしい。
それにしても、プロコフィエフの音楽の素晴らしさも、あらためて堪能。
「ロミオ~」ほどの劇的展開がない分、「踊り」を重視して作曲したということが、とてもよくわかる。
第1幕ラストのワルツなど、期待と不安と栄光の、まったく異なる3つの要素が同時に表現されていて、天才とはこういうひとのことをいうのだろうなあ。
富樫鉄火

富樫鉄火