小さな鉄工所を経営する中村は、5年前の轢き逃げ事件で最愛の妻を喪い、抜け殻のようになりながらも復讐することだけを考えて日々を生きていた。
やがて、出所した犯人の木島のもとに、復讐までのカウントダウン…
これは復讐劇ではない。
工場の油と砂埃とプリンの匂いが重くのしかかる感覚が辛い。
中学の時、親父にまだお前には重いからやめておけと言われながらもこっそり観た映画でしたが、あの時の感性とはまた変わって…
とかく日本映画にはナナメチックに観る癖がついてるのかも。
堺さんと山田さんの熱演。
堺さんは明らかに狂気を孕んでいるけど、一方の山田さんはただのキチガイ。
先天と後天の違いとも言うべきか。
前半は…
ひき逃げによって妻を亡くした夫と、刑期をおえて出てきた犯人。
被害者と加害者の両面から悲しみ、喪失感、憤りを描き出す表現。
両者を均等に、葛藤があることを見せたかったのであろうが、加害者は全くもって…
この展開スピードで肩力ませるシーンを作ってくるから凄いわな。
役者あってのやけど、むしろこの脚本やからこの役者使ったんかな。たしかに退屈やけどこの鬱々とした時間を主人公の感覚と重ねさせたかったんかな…
「その夜の侍」製作委員会