Jun潤

ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…のJun潤のレビュー・感想・評価

3.7
2023.03.22

テレビシリーズ視聴作品。
前作『ウルトラマントリガー』に続き、平成ウルトラマンTDG3部作の内、『ウルトラマンダイナ』の系譜を受け継ぐ第2作目の劇場版。
世代的にはダイナの方が世代が近く、視聴中は当時おもちゃを持っていたことも思い出しました。
テレビシリーズの方は熱めでシンプルな展開やキャラで楽しめましたし、視聴が遅れてしまいましたが最終回まで見れたので今回鑑賞です。

宇宙から襲来した脅威・スフィアから地球を守り抜いてから1年。
デッカーの存在も失われたものの、カナタ、イチカ、リュウモンの3人はTPUの訓練校で教官として後進の育成に携わっていた。
リュウモンはGUTS-SELECTの新たな隊長、イチカは宇宙へ進出するナースデッセイ号のパイロットとして、新たな道に進もうとしていたが、カナタは新たな道を決めあぐねていた。
そんな時、新たなウルトラマンに変身する少女・ディナスと共に、宇宙中の惑星を侵略しようとする異星人・ギベルスが現れる。
ウルトラマンディナスと共にギベルスの脅威に立ち向かうGUTS-SELECTだったが、地球人を取り込もうとするギベルスたちにTPU本部が乗っ取られてしまう。
果たして、地球の平和を再び取り戻すことができるのか、そしてカナタが旅立つ先とはー。

異星人の侵略から地球を守るという王道な展開でありながら、主役のはずのウルトラマンデッカーは終盤まで出てこない邪道展開。
しかし戦闘が中弛みすることはなく、ウルトラマンに必要な要素の一つでもある、防衛隊の面々が人間の力で抗っていく場面も豊富にありました。
人間の限界に対して、テレビシリーズに登場した仲間の異星人の助けで打開するというのも、テレビシリーズの積み重ねを感じられて良かったです。

特撮作品として見ると、CGと実写の使い分けが印象的でしたね。
大作邦画にある実写とCGを組み合わせる場面は、邦画の予算的にまだ厳しくツギハギがバレがち。
同じような作品は他にもありますが、今作ではCG場面はCGのみ、実写場面は実写のみ、と使い分けられていて、大変見やすい場面が特によかったです。

そして今作、カナタ、イチカ、リュウモン3人の若者の群像劇としての側面も持っていました。
責任ある立場に対するプレッシャー、過去の出来事に対する罪悪感、本当に大事なことはなんなのか。
この役割はこう!という固まったものではなく、仲間同士で助け合うことが大事という、普段の生活にも通じる人間関係が描かれていました。

テレビシリーズではデッカー・アスミが変身するからデッカー、今作ではディナスが変身するからディナス、だったので、自分自身の光で変身したのならウルトラマンカナタと名乗っても良かったのではと考えたり。
まぁそこはおもちゃとか番組名との兼ね合いですかね。

今作を鑑賞した最大の目的は、おそらく半年後に来るであろう新番組がガイアを受け継ぐのではないかということ、そして3部作が終わったら新世代TDGが揃うクロスオーバー作品が制作されるのではないかということ。
そう考えるとやはり今作を見逃すわけにはいきませんでしたね。
Jun潤

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