このレビューはネタバレを含みます
村ホラーとしての厭さをすべて詰め込んだような映画。
誰が正気か、誰が狂ってるのか、何が本当で何が幻なのか境界が曖昧になっていく恐怖。
主人公含めどの登場人物にも名前がなく説明もなく続いていくストーリーにまずゾクゾク。
棒読みの祖父母のリアルさにゾクゾク。ゲームのデバッグみたいな言動にゾクゾク。
Jホラーの厭さの結晶そのものでした。
冒頭から様子のおかしい祖父母、それまでの会話の嫌な感じもリアルだった。
考察は必要だし説明足りないなと思う箇所もあったけどそれはそれとして本当に底しれぬ厭さをこれでもかと浴びせられた。
SCPの「えらいねえ」を彷彿とさせる気味悪さ。
途中笑えるシーンもあったけど終始じっとりとした嫌な気分がつきまとう。主人公もどんどん狂っていく。
自分自身、幸せな状態ってなんだろうとずっと考えて悩んでて、その一種の解がこの映画なのかもしれない。でも芯を食ってない感じ。
私がずっと問うてる幸せの定義の解ではなかった。幸せがどう成り立つのかという話だったため、どういう状態がしあわせなのかはわからなかった。
でも、他人を尺度として自身の幸せを判定しているという言説は腑に落ちた。たしかに、人を見て自分が幸せなのかどうか考えてたかもしれない。
自身の幸福観にかなりうったえかけられ、考えさせられる作品でした。
もう一度観る勇気はないけど、幸せについて考えるために見返したほうがいいかもしれない作品。
これを見れば自身の幸福とはなにか考えさせられること請け合い。
あなたは今、幸せ?