しゅん

みなに幸あれのしゅんのレビュー・感想・評価

みなに幸あれ(2023年製作の映画)
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ホラー版「誰かの願いが叶う頃」。シンメトリーの構図が、幸福の裏返しとしての恐怖を演出する。因習村的主題と青春恋愛映画を両立する脚本。古川琴音へのライトの当て方と表情の変化に、目が引きつけられる。服装の使い方もよかった(単純にグレーパーカー似合ってるのもある)。

テーマ設定が物語と演出より前に透けて出ているように感じる瞬間はあったものの、サスペンスが夜ではなく昼に終結する呆気なさなど、惹かれるものが多い。なにより、青年期に人が感じる「自分だけが大事なことを知らない」不安のアナロジーとして全体が機能している。それが個人的に大きい。
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