わー

みなに幸あれのわーのレビュー・感想・評価

みなに幸あれ(2023年製作の映画)
5.0
すっばらしいです!

シャマラン×内藤瑛亮×パクチャヌク×ジョーダンピール×リドスコといった様相。
『悪の法則』に近いんじゃない?
シャマランで言うと『ヴィレッジ』『レディインザウォーター』『ハプニング』『ヴィジット』…大体全部か
あと『us』だ!!

世の中お前が思ってるより残酷でこのシステムは変えられないんだよ。って話でしょう。
色んな角度から世の中の在り方を切ってる。
お前の幸せは色んな犠牲の元に成り立ってるから、タイトルは希望を込めた皮肉たっぷりの「みなに幸あれ」。
良いタイトル。
「全部幻なのよ」ってセリフも、結局わかった気になる以上にはなれないっていうことだろう。
内藤瑛亮的な真の暴力映画だ。

Jホラーらしさもありつつ、Jホラーらしくない、つまりじっとりしてない画作り。
北欧ホラーか!っていうくらい湿気がない。
それを持って否と言うのは簡単なんですわ。
Jホラーフォーマットを使いこなしつつ新鮮なカットの連打に「まだまだいけるじゃんな!」と希望が溢れた。

つわりに苦しむばあさん、からの
じじいの指チャプチャプ
最高だろ!あんなん最低だろ!あれが見たかった!なんたる気まずさ!こっちみて笑うなや!あれ指しゃぶってるけど、ほんとは違うよね。画面にはあえてマイルドな表現に抑えてるけど。

生贄→主人公コンビ→じじいばばあ。ってカット切り替えながら左右田んぼ一本道を進むシーンやばいニコニコ最高。ナイス!わかってるうううう!!!ふぅぅううう!!もうあのシーンだけで大合格点ですよ!!!
田んぼの使い方がまあ上手い。行きも地獄帰りも地獄。他にはなにもない。
燃えてる生贄を近所の人が見に来てるのいいよね。

田舎ホラーの一歩先を見たような
「村社会怖い!」って話じゃなくて、
「いや世の中全部“村”だわ!」
ってメッセージが痛烈に刺さる仕組みになってる。
急なアフリカ話はそういうことですよ。
斬新。
村怖い!が反転する。
逃げ切ったらENDじゃなく、そもそもこの世界は終わっとるんだわ!ってことなんですわ!
リドスコ先生の映画みたいな!

映画の醍醐味。
いや、ホラーの醍醐味なんだね〜!
いじめられてた少年(彼の家系も生贄を使わない(だから「お前のとこもか?」って聞かれてたわけです))が「僕も受け入れることにしました」ってセリフが今の日本社会だなあ今の日本社会だねえ、って感心しました。
乾いているけど熱はある。
情熱がスクリーンにほと走ってるんですわ!

だからっ、みなに!幸!あれ!!!ってことなんですわ!!古川ちゃんがうっすら涙を浮かべながら笑顔なのはそーいーうーことですぅ。
わー

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