三輪車

エスパーX探偵社 〜さよならのさがしもの〜の三輪車のレビュー・感想・評価

4.2
だらしなくて、ダサい探偵の話
自分の中で、探偵のイメージは確立されていて、それは「だらしなくて、でもかっこいい」といった感じだった。
しかし、この映画の探偵は「だらしなくて、ダサい」、でも、そんな主人公を見て、明日も頑張って生きていこうって思える。

なんとなく探偵にかっこいいイメージがあった。お金、女性にだらしない、でも解決シーンや敵と相対するシーンはかっこいい、それが探偵ものだと思っていた。

この映画の探偵は、お金にだらしなくはない、子どもいて(事故でなくしてしまうが)、奥さんもいて(奥さんの不倫が理由で離婚するが)、一応ちゃんとはしているように思う。
でも、探偵事務所の汚さとか(掃除してないとかではなく、置いてあるものの汚さというか、見た目に気を遣っていないというかそんな感じ)、着ている服とかにはだらしなさはある。(自分のイメージ像の探偵と同じようなだらしなさもあった。)

解決シーン、対決シーンも無理にカッコつけてる感じとか、走り出す前の助走をつける感じとか、所々にダサさが出てて「ずっとダサいじゃん、この探偵」ってなった。
でも、それが人間だなとも思う。
ちゃんとしてる人だって気を抜けばだらしなくなるし、誰だってカッコいいって思われたいだろうし、でもそういう風に思ってるから余計に空回りしちゃってかっこ悪くなる。
そんな人ばっかだと思う。
そんな主人公だから共感できるし、探偵っていう非日常的職業でも自分たちと同じように色々上手くいかないし、でも、そんな中でもマツキヨ(主人公)は頑張って生きてる。
じゃあ自分も明日を頑張ろうって思える。
だらしなくて、ダサいけど、カッコつけてカッコ悪いけど、そんなマツキヨがかっこいい。そういう映画だったと思う。

なんとなく、なんとなくだけど毎日がちょっと生きやすくなる映画だった。
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