いつもいっちゃん

霧の淵のいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

霧の淵(2023年製作の映画)
3.5
夢か現実か。

思いの外、幻想的で豊かな画面でした。
奈良の旅館街。
かつては栄えていた街は今では閑散とし、訪れる人もまばら。
そこで旅館を営む母娘と祖父。
12歳の娘を通して見たかつての旅館街の風景。
崩れかけた家族に対する不安を日常を通して淡々と豊かに映す。
かつての街の姿が少し懐かしく、幻想的に描かれる。画面の美しさたるや。
ただあまりにストーリーがあってないようなので、美しさや豊かさは担保されているものの、正直上映時間83分でも長く感じました。
消化しきれないというのも正直あります。
物語性をやはりこういった作品には欲しい所。
役者さんの佇まいは本当に素敵でした。

エグゼクティブプロデューサーに河瀨直美が入っていたのは納得。