大学の同級生に奈良県東吉野村の材木屋さんの子がいて、夏休みに遊びに行ったことがある。(山あいの国道沿いの古くて立派な木造建築で、玄関奥の階段を降りた裏手にお風呂があり、その脇から目の前の大きな川の河原に出られるという素晴らしい立地だった)
その際に感じた友人宅付近の美しさが忘れられない。
『霧の淵』の舞台もおそらく同級生の実家からさほど遠くないと思う。朝日館の佇まいや風にそよぐ木々に懐かしい記憶を呼び覚まされた。静かで美しく、取り残されたような山間の町。
ロケーションの良さが全てみたいな映画(役者さんも良かったけど…)だった。
前半の大学生達の無意識であろう意地悪な言動まではリアルに感じたけど、その後はファンタジーなのか?
私にはよくわからないまま終わった。
イメージを伝えるミュージックビデオみたい。
静かな作品で心に響くこともあるけど、今回はそうではなかった。
タイミングか相性か、どちらかが私に合ってなかったのね。
イヒカって名前、変わってるけど理由があったのかしら?