トモ

波紋のトモのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
4.5
超豪華実力キャスト陣目的で観に行ったけど映画も凄かった

一家庭の問題一人の妻(女性)の苦悩から始まり様々な社会問題を描きながらも強く浮き出ているのが偏見

語られない余白や考える余地の多い、絶望を感じながら前に進むパワーをもらえるような不思議な観応えのあるエンタメ作品

筒井さん、キノハナさん、江口さん、紙さん、安玉さん、かまどこと緑子さん。このキャスト揃えたのは凄すぎる。そこに光石さん、磯村君、半額おじさんこと柄本さんて、キャスティングが渋豪華過ぎる

水道水だって緑命水だって一回150万円かかる「水」だって結果的には大差のない水。水だけじゃなくて占い、パワースポット、推し、等々、人様に迷惑をかけない範囲の人によっては価値の感じられない拠り所って沢山あるし勿論自分も例外ではない

この主人公は家庭の問題、近隣関係、職場で感情を押し殺しながら生活している。水を大量に買い心乱れる度に選ばれた者のみ与えられる「水」スプレーをかける様は正に悲劇

ここが問題というよりこういう人にさえ自らの置かれた環境によって生まれてしまう偏った視点があるということ(偏った見方が波紋となり広がっていく現在も恐ろしい)

突然失踪した夫に対しては当たり前だが店に来る度にクレームを言い値下げを要求する客に対しても、そして息子や心を許した気丈に見える仲間に対してさえも

主人公の涙のシーンは心に刺さると同時に、誰もが偏った見方をしてしまうという危うさを感じた印象深い場面

息子が何故九州の大学に行ったのか。夫は本当に家庭から逃げたのか、ニュースを観て居ても立ってもいられなくなり家から飛び出したのではないか?

飛び出す前はニュースの音量を上げたのに、帰って来てからはTVの電源を切っていた。夫の服装や荷物からしてそんな可能性すら感じてしまう、その行動が肯定できるできないは別として

ラストに向かうにつれ解放されていく主人公の場面は衝撃でもあり痛快でもある

追記。ムロツヨシさんどこにいる!?ってくらい分かりません笑。あとハブラシやめてあげて笑
トモ

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