鎌谷ミキ

波紋の鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
3.9
【『かもめ食堂』とは対極なブラックユーモア】

[あらすじ]
新興宗教にのめり込みながらも、1人で平穏な日々を送っていた主婦・須藤依子(筒井真理子)ところが、失踪していた夫・須藤修(光石研)の突然の帰還をきっかけに、依子の日常の歯車が大きく狂い始める。

[レビュー]
荻上直子監督って『かもめ食堂』や『めがね』みたいなゆるゆるほっこり作品なイメージですよね。それを自ら覆す作品が本作です。

ブラックユーモアといえば『首』ですけど、こちらは言葉のブラックユーモアがトゲトゲしく刺さってきます。『彼らが本気で編むときは』でマイノリティを描いていたのに、今回脚本で違うマイノリティをディスっていたのには驚愕でした…多分、その背景なしで観た方がブラックユーモアは面白かったんやろなぁ。

ということで。普通に観たらいいんだろうけれど、過去作のゆるほわが邪魔しまくる。笑い所がわからない💦ブラックユーモアの楽しみ方、誰か教えてください💨

荻上監督はまだ50代始めぐらいなんだけど、更年期障害の描き方がリアルだった。こういう所はちゃんとリサーチしてるんだろうな。新興宗教をリサーチしたかはわからないけれど、あの独特な踊りは『めがね』っぽかったね。そこは。緩和加減はギリギリ攻めてた。その光石研さんが変わり果ててたな💦

柄本明さんのイヤーな感じとか、めっちゃよかった✨極端やけど、あんな感じの客いるいる!ムロツヨシさんの使い方が贅沢。多分そうだろうなと顔のアップを待っている間に終了。5分もなかったよな、あれ。

安藤玉恵さん、江口のりこさん、木野花さん、キムラ緑子さんらは適材適所。ホントにいそうだもん、みんなその辺のおばさま。

なんか全然褒めてないんだけど、こんな作品もありかなとは思いますね。どんな気分の時に観たら適しているのかわかりかねます😵‍💫
そういえば『バーバー吉野』も子役使ってシュールなことしてたから、昔からそういうのもイケる監督だったんだなと改めて。
今年、水の表現が使われる映画多いね!『渇水』『正欲』

あっ、新婚で観てはいけない作風でした😅
鎌谷ミキ

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