うにゃ

波紋のうにゃのネタバレレビュー・内容・結末

波紋(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

東日本大震災の後、庭で花に水やりをしていた須藤家の夫(光石研)が突然失踪する。
新興宗教にのめり込みながらも、パートに出て1人で平穏な日々を送っていた主人公(筒井真理子)。ところが、失踪していた夫が突然の帰還!
夫「親父に線香あげたいんだけど…」
主人公「半年も前だけど」
線香をあげた夫が語る。
「実は、おれガンなんだ。最後は、君の所でと思って…」
はぁ?失踪したくせに面倒みろって事?と思って観ながらイライラ。
主人公は、夫がガンだというので追い出せないとご飯をあげたり泊まらせたりする。
宗教からくる自己犠牲の精神が強く影響している。くそ〜。
夫は、主人公がパートに出ている間、金目のものが無いか家を漁る。
こんなやつ即追い出せ!!と思いながら展開を見守る。
病院に一緒に行ってほしいと夫に頼まれてついて行くと、一回150万円の未承認の薬を3回試す事を強く勧められる。
主人公はそこで、この為に帰ってきたのかと気づく。アハハ…。
夫「親父の遺産があるだろう」
が、最期まで面倒をみていた主人公が受けとるように遺言が書き換えられていた。
怒る夫。頼む夫。考えさせてくれと言いながら、結局はお金を出す主人公。
点滴している時の「親子ね」のシーン気持ち悪すぎです。おえぇ。

パート先の清掃員の水木(木野花)さんが、市民プールはいいわよ、そんな夫仕返ししちゃいなさいよ、嫌な事を念じるだけなら罪にもならないよと主人公に言う。
更年期障害もありストレスMAXの主人公は、水木さんに会う度に気持ちが晴れる。
そうだよ!我慢する必要なんてない!

母親の宗教が嫌で九州で就職している息子は、予告もなしに婚約者を連れてくる。
ご飯の用意があるのに!?しかも泊まるんかい!

その彼女は耳が不自由らしく時々手話も交えて話す。
宗教の水を出した時に、息子と婚約者だけで手話で会話するシーンがある。ないわぁ〜。
主人公と夫はもちろん分からず「?」顔。
だけど、観客は何となく分かる。非常識すぎる。
それでも、彼女に不自由な所があっても愛してくれる息子なので、非常識だけどいい話になるのかなーと思ってたら、彼女がとてもしたたかだった。笑いながら息子を人質に主人公を脅す。こんなお嫁さん嫌だ。

ストレスMAXの主人公。頑張って祈ります。
そんな時に水木さんがプールで倒れ、入院する。亀が心配だと、言いづらそうに主人公に世話を頼む。
水木さんの自宅へ向かう主人公。そこは何と団地のゴミ屋敷。
その中に小さな子供の仏壇があるのを発見する。
主人公「水木さん、お子さんは?」
水木さん「息子、帰ってきやしない。」
前にそんな会話があった。
ゴミ屋敷の中、泣く主人公。泣く泣く。
この場面で、泣くんだね。
ずっと我慢してた。

最後は、夫が息子から自分が居なくなった時の主人公の様子を聞き思うところがあったのか「さっさと死ぬ」と宣言してその通りに死ぬ。
そして、水はなくなる。

夫も息子もいなくなり、息子からまたやれば?と言われたフラメンコを雨の中、庭で喪服の着物で踊り出す主人公。
枯山水に雨が落ちる。
赤色と共に枯山水の砂紋を乱しまくる主人公。
ハッピーエンドととらえたい。


私がまだ話せないくらいとても幼い頃に、病弱だった祖母の具合がもっとひどくなったそう。
その頃、祖父母の家へ行くと三角マークのシールがいたる所に貼ってあった。
この映画を観て何となくその事を思い出して調べると、「エスパーシール」?なるものだった。えぇ…。
一緒に映画を観ていた母に尋ねると、当時流行っていて、藁にもすがる思いで家族の誰かが持ってきたとのこと。
なるほど…私も家族に何かあった時どうなってしまうか…と考えた。
うにゃ

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