骨盤ケア

最後まで行くの骨盤ケアのネタバレレビュー・内容・結末

最後まで行く(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます



まず最初に言いたいのは岡田君の演技です。
ヘルドッグの時とかファブルの時とかとね、うん、全然違うんですよ。最初っからどうしようもないどうにもならない底辺の底辺みたいなカス男の演技うますぎ岡田准一すげ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!どうなってんだよ!!!!!!!!
何かね、もう、挙措が違うんだ。分かりやすく動揺して吃ったり、落ち着かない指先とか目線とか。動きも岡田師範とは思えない鈍さで、完全に工藤だった。何食ったらあんな演技出来るん?
映画全体の流れとか疾走感とかの感じはドラマのアバランチ、雰囲気はヤクザと家族、画の色はデイアンドナイトって感じがしたけど、藤井道人監督にしてはBGMにクラッシックやらロックやらジャズやらドラミングやらを結構大きめに使っていて「珍し〜」とか思いました。でもこれがマジで最高に効いてて藤井道人才能溢れすぎでしょ、音の使い方が上手すぎる。大きいBGMだけど、邪魔になって無いし煩わしく無い。静と動が、緩急が、ちゃんとある。
内容としては、マジで全人類に観て欲しいのであんまりネタバレしたく無いんですけど、どうしても言いたいので言いますね。
工藤が矢崎の電話にクソ程煽り散らかして、背後からブチギレた矢崎が迫ってきて工藤をぶん殴るシーン。「いや確かにムカつくけどそんなに...?」とか思ったらフラッシュバックで尾田と工藤が同じ煽りを矢崎にしていて、矢崎の「俺の事コケにしやがったから殺す」って激情の理由が分かって、やっぱり矢崎は肩怒らせて大股で歩く自信家で、自分にだけ興味があって他の奴には興味が無い冷徹冷酷冷静なエリート監察官だけど、微妙に自己肯定感と自己評価が低く、プライド高いけどコンプレックスが強くて野心家で自分が一番大事で男も女も嫌いで周りを見下してる男なんだなって。だから結局、植松の殴打にプツって切れちゃったのかな。だってあんなクソハゲにコケにされて、黙ってる矢崎か?ちげーよなぁ。もうあの時点で上司に胡麻すっての出世とかもうどうでも良くなって、暴力と金でのし上がる覚悟を決めたんだよな多分。知らんけど。いや、何だこの男最高かよ、こんな男を完璧に演じ切った綾野剛もすげぇけど、この役を綾野剛のやらせよ〜って最初に言った人、めちゃくちゃお給料貰ってて欲しいし美味しいご飯食べてぐっすり寝てくれチャオ。
あと終盤の金庫でのシーンなんかもめっちゃヤバ。まずあの矢崎の登場の仕方。何となく来るのは分かってたけど、濡れて水を含んだ布と靴のびちゃべちゃと言う水音。ホラー演出でよくあるけど、その音の後にデカい効果音でバーン!と出すんじゃなく、入り口にすっ...と静かに佇み顔を歪ませて銃を撃つ矢崎。マジで怖すぎるし、執念深いとかの次元じゃない。そこから金庫内での戦闘になるけど、床の札束の上を這いながら揉み合う二人、本当にトカゲの揉み合いみたいで無様。その後外に出て墓石の上を這うとこなんかもうトカゲ。人間じゃない。プライドも何もかもかなぐり捨てて、目の前の男への執着心だけで動いてる矢崎。哀れで無様で砂漠から抜け出せないトカゲそのものでマジで最高。綾野剛ってすげぇな。マジ何食ったらあんな演技できんの?
そんでタイトルの出し方ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヤクザと家族の時の、ぞくっとする様な鳥肌が立つタイトルの出し方だった。そりゃそうだよな、だって「最後まで行く」だもんな。タイトルの出し方まで良いとか、流石に天は藤井道人に二物を与えすぎ。
あー後もう100万回は観たいですね。藤井道人サイコー!!!!!!!!最後まで行くサイコー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!今季最高にホットであちちな映画です!!!!!!!!!!!!観ろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あと最後に。柄本明ずっちぃよ。あんなんよ、ずっちぃよ。最初っからあんたの掌かよ。漁夫の利かよ女。あんたも砂漠のトカゲじゃねぇのかよ、あんたがひょこひょこ手足を上げなきゃなんねぇ程熱い砂漠の正体だったのかよ。そんなんずりぃよ。最高かよ。
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