Filmarksの試写会にて鑑賞。
なんの知識もないときは「藤井監督だし重めのクライムサスペンス？」って思ったけど、予告を観るとコメディ要素アリの予感。
冒頭からノンストップ、心地よいテンポ感。ホッとしてる暇なんて一瞬たりとも許してくれなかった。
岡田くんのどうしよもない刑事っぷり。ダメダメなんだけど、憎めない！これぞ岡田准一。剛くんの芝居は言わずもがな。冷酷で非情で執拗にどこまでも追いかけてくる、狂ってるとしか言いようがない不死身の矢崎を怪演。神経質さを顔の引き攣りで表すとか、今回も細かいところまで抜かりない。本来の目的から外れて2人が堕ちていくさまは痛々しさを超えて滑稽。最後の矢崎の顔、今までのどの剛くんよりも怖かった。殴り合って不気味なほど腫れた顔を2人に晒させる藤井監督、容赦ない。
殺すつもりで銃をバンバン撃ちまくる監察官や墓場に重厚な隠し金庫、山積みの札束など、明らかにフィクション的要素なんだけど、そこを「ありえない」「陳腐」じゃなくて粋な演出に昇華させてしまうのが藤井監督のすごさ。
岡田くん、剛くん以外の藤井組常連の役者さんたちもとてもよかった！ 駿河太郎、磯村勇斗はアバランチ、ヤクザと家族を思い出させてくれて、心の中でニヤニヤしちゃった。
あとは劇伴がとてもよかった！ 恐怖を助長させるあの不穏な音響、そしてクラシックからハードめのロックまで、効果的に使われてた。めちゃめちゃかっこよかった。
