韓国版「最後まで行く」も最近観ていたので粗筋はわかっているものの、最初から最後まで息つかせぬ展開が楽しめた、工夫もあったリメイク作品でした。利かせたアレンジが作品の面白さにきちんと還元されていて、こちらはこちらでまたかなり楽しめました…！
物語は序盤から韓国版とは違う展開を見せていき、特に矢崎のキャラクタはだいぶ異なります。この人物造形の変更により、矢崎は主人公の工藤ともども「同じ程度のギリギリを生きるクズな人物」感が引き立ち、どっちもどっちな泥沼のデスゲームによりどっぷりと没入していけました。
事故の偽装から始まり、まったく褒めるところのない工藤なのですが、岡田准一氏の人間性ゆえか、なぜだか憎めなさを感じたのも日本版の特長かなと。やってることは最低なのに、安置所や監視カメラの確認の場面の慌てふためきぶりには、あまりに情けなくて応援したくなりました。
終盤は大きく違う展開を見せ、真相さえも変えているのですが、個人的にはタイトルがより刺さるのはこちらのほうかなと。あのタイトルの出し方、めちゃくちゃ好きです。あんなにどん底な状況でのラストカットの爽快な明るさ……、最高でした。
