ハリネズミ、コグマ、犬、ミミズクの細かく絡まってもさもさしたような毛の質感が夜の感じを強調してると思う。蛾とか、ヨタカみたいな質感。動物のササっとした動きと毛の質感の相性がいいと思う。多分、切絵を背景の上にのせて動かして作ってると思うけど、机の上で紙の切れ端を指で押して動かしてるような緩急の動きをする。この静かなカサカサ感が夜の生き物っぽい。
この短編では、タイトルにも出てるけど、霧を使った空気遠近法が全体的に使われてる。視界が隠れている意識があるので、想像力が掻き立てられる。動物がぬっと顔を出すときに、じわじわ頭に浮かんでくるように出てくる。
水の表現も面白いと思った。本物の水面に光の反射が強調されて見えるような映され方だった。
