高畑勲監督が好きだったという監督そして作品。
人間でいう掌サイズのハリネズミから見た世界認識を精細に描き出す。ハリネズミから見た落ち葉の落下、馬からの見下ろしどれも独特な浮遊感がある。
宮崎駿さんがもののけ姫を作った後、作りたがった作品が「毛虫のボロ」だが、これも毛虫から見た自然を描くもので、本作品と同様の波動を感じる。
「霧の中のハリネズミ」を絶賛した高畑監督。それと同様なテーマの映画「毛虫のボロ」を作ろうとした宮崎駿監督。
もののけ姫から千と千尋までという宮崎駿円熟期において、本作に取り組もうとした宮崎さんは、高畑さんに作ったものを「面白い」と言って欲しかったのかもしれない。